今回のキャリア・レポートでは、とある自動車メーカーの見学施設で通訳受付をしている方を紹介します!

英語を使う仕事の一つとして、こういう仕事もあるんだ!と参考になるのではないでしょうか?

通訳者を目指したきっかけや経緯

私は、洋楽が好きだったこともあり、中学校で英語を学習し始めて以来、特に英語が好きになりました。その頃から英語を使った仕事に憧れるようになり、通訳の仕事に就きました。今回は、自動車メーカーの本社にある見学施設での、通訳受付の仕事に関して述べていきます。

もともと洋楽が好きだったこともありますが、英語が身近なものになったきっかけとして、親族の存在がとても大きいです。私の叔母は、アメリカ人と結婚し、アメリカに在住していました。彼女の子どもである、従弟とも仲が良かったため、小さい頃から毎年のようにアメリカへ家族で訪れては、一緒に遊んでいました。彼らのコミュニケーション言語は、ほとんどが英語でした。そのため、彼らのもとを訪れた際は、必然的に英語での会話が求められていたのです。叔母からは、英語を使って外国の方とコミュニケーションをとることのすばらしさをよく、聞かせてもらっていました。そのかいあって、自然と英語に対するハードルが低くなり、中学校で英語学習を開始すると、とても意欲的に取り組むことが出来ました。

高校生になり、大学進学を意識したとき、将来英語を使った仕事に就くことを決めました。その時は、具体的な職種というものはまだ決めていませんでしたが、大学で受けた翻訳と通訳の講義に、中学高校での授業にはない新鮮さを感じて興味を持ち、なんとなくですが、そういった職業に就きたいと考えるようになっていきました。実際受講を進めていくと、通訳の奥深さに面白みを感じ、より翻訳や通訳といった職業に憧れを抱いていくようになりました。

就職活動に関しては、私は9月に卒業でしたので、当時の日本での就職活動期と少しズレが生じてしまっていました。そのため、新卒採用での応募を見送り、派遣会社に登録をして就職活動をすることに決めました。私が登録した派遣会社では、大学在学中の資格やアルバイトの経験を問われ、さらに、希望する職業や職種を登録し、マッチングした企業があれば面接をする、といった流れでした。出されている求人とのタイミングもとても重要となってくるのですが、運よく通訳の仕事と出会うことができ、派遣会社を通して面接を行った結果、採用されて今回の職業に就くことが出来ました。

会社と仕事内容について

私が勤めている自動車メーカーの主な事業内容は、乗用車やトラックの製造、販売などです。従業員数は、単体では合計22,121名(男性は20,129名、女性は1,992名)、連結では合計48,849名になります。生産、開発拠点はともに、国内外に展開されており、とてもグローバルな企業です。

本社敷地内にある見学施設では、開発する車の歴史やエンジンの仕組みなどが、テーマごとに展示されています。工場内では、車が実際に組み立てられるところも見学が可能となっています。見学施設での職員数は、館長、副館長、事務員、通訳受付、英語・日本語案内役の合計6名で、構成されています。

私が所属する通訳受付の仕事内容としては、主に、施設を見学される方のお出迎えや施設までのご案内、電話やFAX、eメールでの予約受付です。

1日のスケジュール

7:45  出勤、携帯電話や撮影器具はロッカーに預ける

7:50  見学施設への移動。専用のバスで敷地内を移動

8:00  ミーティング、予約メールチェック

8:30  電話受付開始

9:45  見学者様のお出迎え、ご案内

12:00  昼食休憩

12:45   予約業務受付業務

17:30  退社

年収やキャリアデザイン

今回の仕事でのおおよその年収は通訳受付職で、200万円です。ボーナスや昇給は、ありません。キャリアデザインとしては、このまま派遣社員として働くか、転職するのが一般的のようです。働き方としては、残業はなく土日祝日が休日のため、女性にとっても働きやすいのではないかと思います。

現在当該施設での案内は、日本語と英語のみとなっており、それ以外の言語での案内を必要とする来館者は、自身で通訳を用意して頂くようになっています。ですが、昨今中国からの来日者の増加なども考慮すると、今後は、英語圏以外の来館者様にも満足していただけるよう、中国語や韓国語、アラブ語などでの通訳の必要性も出てきています。

英語の習得について

英語の習得に関しては、学業による習得が80パーセント、独学が10パーセント、ホームステイが10パーセント、という割合です。独学では主に、洋楽による日本語訳の理解や、英会話など教育番組のテレビ視聴、英語関連の出版物をテキストとする、以上3点の学習方法を用いていました。

まず、学業による英語の習得とは、大学での授業や外国人留学生との交流を指します。中でも一番効果のあった授業は、TOEICのスコアアップを目的とした授業でした。内容はとてもシンプルで、パソコンで実際のTOEIC試験の模擬問題をひたすらに解いていくものですが、量が膨大でした。平日の学習だけでは時間が足らず、土日にも学校に訪れてパソコンに向かう学生が多くみられました。TOEICスコアは、半年で50点以上アップする結果となりました。

大学には、様々な国からの外国人留学生がいたため、英語のみならず、他の外国語と接することで、より英語に対する理解や興味が深まったりしました。

次に独学に関しては、洋楽を聞いて学習する方法ですが、まず歌詞の日本語訳を見ずに音楽を聴いて、英語に耳を慣らします。その際、聞き取れない単語があれば、英語の歌詞は見ても良いとしました。ある程度聞き取れるようになった段階で、日本語訳を見て内容を理解し、再度音楽を聴いたり一緒に歌ったりします。この学習方法では、正しい英語の発音方法や表現方法が学べました。テレビ番組視聴による学習方法では、なるべく楽しく視聴できるよう、特に勉強を意識しないように聞き流していました。英語関連の出版物とは、英文で書かれた書籍や、英語に関連した雑誌を指し、これらを熟読することにより、英単語や熟語のインプットが出来ました。

三つめの、ホームステイに関しては、ワシントン州ブレマトン市にある知人の自宅に、2週間ほど滞在させてもらいました。シアトルまでフェリーで1時間ほどの場所にあり、湾岸の脇に立つその家はとても風情があり、どちらかというと自然が豊かな田舎街でした。ステイ先のファミリーは、ブレマトン市出身のご両親と、長女長男次男の5人家族で、とても暖かく迎えてくれました。滞在中は、英語で話し、なるべくハッキリと速度を落として話しかけてくれるホストファミリーのおかげで、私の語彙力やリスニング力は滞在前とはっきりと差が出て良くなっていました。ここでの経験により、英会話の技術的向上のみならず、たくさんの思い出を作ることができ、人生をより豊かにすることが出来ました。

まとめ

今回の通訳受付業務の仕事は、とても充実していました。電話での応対では、聞き取れないこともあったりしましたが、そういったときにも落ち着いて対応することを学びました。また、コミュニケーションを目的とした英語の学習には、終わりがないため、常に向上心を持って日々充実した生活を送ることが出来ます。実際に外国の方とコミュニケーションをとる業務内容は、自身の成長をとても感じるものでした。

現在は、子育てのため離職中ですが、車の移動中に洋楽学習を実践し、洋画を見たりするなど、英語から遠ざからない生活を送るよう気を付けています。将来的には、子育てが落ち着いた際には、また同様の仕事に就きたいと考えています。