欧米文化が本格的に入ってきた戦後~高度成長期。
この時期を中心に日本では和製英語がたくさん作られました。今ではすっかりおなじみになった和製英語、そして英語での本当の意味を比較してみました。
和製英語と知らずに英語での会話で使ってしまうと、相手が混乱したり誤解してしまうことになりかねません。英単語の勉強も大切ですが、たまにこういったことも学んでおくと、役に立ちますよ!

物を指す「和製英語」

コンセント

和製英語の意味
電化製品を使用する際、電源を確保するために指す部分。
本来のconsentの意味
「同意・許可する」という動詞。
英語で正しく言うと
socket(米語ではoutlet)

バイキング

和製英語の意味
自分で取ってくる食べ放題の食事スタイル。立食・着席問わず。
本来のvikingの意味
昔、北欧の海にいた海賊の総称。
英語で正しく言うと
自分で取ってくるスタイルの食事はbuffetです。食べ放題の要素が強いbuffetはall-you-can-eat buffetとつく事が多いです。

サイダー

和製英語の意味
甘い味付けの炭酸ジュース。
本来のciderの意味
りんご酒。”sweet cider”はりんごジュースを指す。
英語で正しく言うと
a soda pop

マンション

和製英語の意味
賃貸もしくは分譲の集合住宅。
本来のmansionの意味
豪邸(集合住宅ではなく、宮殿のような広い豪勢な住宅を指す)
英語で正しく言うと
apartmentもしくはcondominiumです。日本語のアパートはワンルームで比較的賃料の低い集合住宅を指すので、比較的部屋数も多く賃料も高い、分譲もある物件との差別化を図る為に、マンションと呼ばれるようになったと言えます。

リンス

和製英語の意味
シャンプーの後に使う、シリコンなどが配合された指通りを良くするもの。
本来のrinseの意味
「すすぐ」という動詞。
英語で正しく言うと
conditioner 既に多くの製品がコンディショナーと表記されていますが、「リンス」という呼び方の方も根強いです。

チャック

和製英語の意味
布などの生地を繋ぎ合わせる金属の部品。
本来のチャックの意味
チャックとは英語ではなく、日本メーカーである「チャック・ファスナー社」の商標名です。
英語で正しく言うと
fastenerもしくはzipperです。zipperはアメリカのfastenerメーカーの商標名です。なお、fastenerは「締める」という動詞が元になっています。

ジーパン

和製英語の意味
デニム生地でできたパンツの事。
本来のジーパンの意味
英語のジーパンを指すjeans+ズボンを指すpantsが組み合わさってできた造語です。
英語で正しく言うと
jeans

ダンボール

和製英語の意味
ボール紙で作られた箱。段ボール。
本来のダンボールの意味
ダンボールという英語は存在しません。ボール紙で作られた、重ねて使える箱=段ボールという言葉がカタカナになりました。
英語で正しく言うと
cardboard box。 「cardboard」がボール紙です。

ホッチキス

和製英語の意味
紙などを針で止める為の文房具。
本来のHotchkissの意味
アメリカの銃器設計者ベンジャミン・バークリー・ホッチキス。一説によると、ホッチキスの構造を発明した人と言われています。
英語で正しく言うと
stapler 日本語のホッチキスは商標名です。

(電子)レンジ

和製英語の意味
電気や電磁波で調理する電化製品。電子レンジやオーブンレンジがある。
本来のrangesの意味
kitchen rangeで「かまど」の名詞。
英語で正しく言うと
microwave(oven) マイクロ波から来ています。

ノートパソコン

和製英語の意味
持ち運び可能な折り畳み式のパソコン。
本来のnote personal-computerの意味
noteはメモや短い原稿、手紙を指す名詞。ノートパソコンは、日本語のノートに該当するnotebookサイズのpersonal-computerである事から来ている和製英語です。
英語で正しく言うと
laptop

クレーム

和製英語の意味
主に企業や店舗に対して、顧客が不当な対応を受けた時に訴える事。
本来のclaimの意味
「(自分が正しい事を)主張する、要求する」という動詞、もしくは「訴え」「請求」という名詞。”claim for the damages”なら「損害賠償を請求する」という意味にも。
英語で正しく言うと
complaint 一部の企業や店舗では、顧客からのクレームを「コンプレイン」と既に表現している事も多いです。

職業を表す「和製英語」

サラリーマン

和製英語の意味
主に企業で働く正社員の男性。
本来のSalary Manの意味
salaryは「給料」という意味の名詞。「給料(をもらう)」+「男性」という造語。
英語で正しく言うと
office-worker ただし、正社員で働く日本の男性を、英語圏では”salary man”と呼ぶようになりました。和製英語が転じて英語になったパターンです。

OL

和製英語の意味
企業で働く正社員の女性。主に事務員を指す事が多い。
本来のOffice Ladyの意味
ladyは、女性の中でも「淑女」を指します。本来の英語の意味では、「事業所」+「淑女」と、大変場にそぐわない組み合わせに。
英語で正しく言うと
英語では男女区別せず、女性の場合もoffice-workerです。日本で女性も正社員として働くようになる事が増え、事務員を始めとした事務関連業務への就職率が高い事から、日本では事務所で働く「女性」を指す言葉として、OLが誕生しました。
ちなみに、英語で自分の職業を紹介する時には”I’m an office-worker.”とはあまり言わず、”I work for ○○(企業名など)”と、所属している企業や団体で表現する事が多いです。

ガードマン

和製英語の意味
警備員や護衛を行う職業を指す。
本来のguard-manの意味
警備員や守衛を指すguardに、人や男性を指すmanが加わった造語。
英語で正しく言うと
security guard もしくはguard

形式や状態を指す「和製英語」

フリーサイズ

和製英語の意味
体型に関係なく着られるサイズ展開の洋装品。
本来のfree-sizeの意味
freeは「自由な」もしくは「無料の」という意味なので、「サイズ無料!」という意味に…。
英語で正しく言うと
one-size-fits-all freeです。 free の持つ「自由な」という意味が転じて、「誰でも着られるサイズ」という和製英語になりました。

テンション

和製英語の意味
人や物の状態を指す時に使われる和製英語「テンションが高い」など。
本来のtensionの意味
「ぴんと張りつめた状態」を表し、「緊張」や「ストレスがかかった状態」を指す名詞。
英語で正しく言うと
テンションが高い状態ならexcited

スマート

和製英語の意味
細い事を表す和製英語。「体型がスマートな女性」もしくは優しい、親切な振る舞いについても指す。「対応がスマート」
本来のsmartの意味
「賢い」という形容詞
英語で正しく言うと
細い事を指すのはslimもしくはthin(薄い)。親切な振る舞いについてはkindやgentleですが、本来の「賢い」という意味で”smart action”「賢い(賢明な)振る舞い」→「優しい対応」に転じたとも考えられます。
なお、細くてスタイルが良いのを褒めたい時には、”You have such a nice figure.”や”You have a good-looking like a fashion model.”と言うとsmart!ですよ。

まとめ

いかがでしたか?
ここで紹介した和製英語は、ごく一部にすぎません。興味がある方はもっと調べてみましょう。英語として通じると思っていたのに実は和製英語だった!という発見があって、楽しみながら学ぶことができますよ!