英語の勉強を始めるならば、過去形については早めにマスターするのがおすすめです。過去形は英語の基本であり簡単だと思われがちですが、難しい面も多々あります。そこでこの記事では、英語の過去形の作り方や日本語との違い、間違いやすいポイントなどについて解説します。過去形を使った例文も紹介するので、是非参考にして下さい。

過去形とはどのようなもの?

過去形は「~した」「~だった」というような、過去の動作や状態などを表したい時に使う表現方法です。英語では例え数秒前の出来事だとしても、過去形で表現しなければいけません。

英語と日本語の過去形の違い

英語の過去形は過去に起きたある出来事を表すものであり、そこに現在の状況は含まれていないのが特徴です。現在は過去の状況とは違うという暗示の場合もあります。日本語の過去形の場合も英語と同様に、過去の動作や状態を表す時に使います。しかし過去と現在の線引きが曖昧であることもあり、その点は英語との大きな違いと言えるでしょう。例えば「バスが来た」という日本語の表現は過去形ですが、実際バスが到着したのは現在の出来事です。過去形を使うことはありません。

Aさん
Here comes the bas.
訳)バスが来た

Aさん

I lost my wallet
訳)財布を失くしてしまった

また、「財布を失くしてしまった」と日本語で表した場合、今も見つかっていないという意味も含まれていると言えます。しかし英語の「I lost my wallet」という過去形では、同時に現在の状態を表すことができません。従って「I lost my wallet」と言ったとすれば、見つかったのか聞かれることになるでしょう。過去形におけるこのような英語と日本語の違いは、現在完了形という表現があるかないかによって生じていると考えられます。日本語には現在完了形がありませんが英語にはあるため、英語の過去形では現在と過去を切り離して考える必要があるのでしょう。

英語の過去形の作り方を解説

過去形は動詞の形を変えることで表現可能です。be動詞の場合amとisはwasと表現し、areはwereと表現すれば過去形となります。be動詞を過去形にすると、「~だった」というような主語の過去の状態を表現できます。一般動詞の場合は基本的に、動詞の最後に「ed」を付ければ過去形です。しかし様々なパターンに変化する不規則動詞もあるため、一般動詞の過去形については後に詳しく解説します。ちなみに英語の過去形では「yesterday」や「last year」など、過去を表す副詞を伴うのが一般的です。また現在形では三人称単数ルールに従い、主語によっては動詞にsやesを付ける必要がありますが、過去形には必要ありません。

どのような主語であっても、過去形では同じ形の動詞を使います。be動詞を使った過去形の否定文を作りたい時は、動詞の後に「not」を置くだけです。一般動詞の場合は、動詞のplayを過去形にするのではなく、「do」を「did」という過去形に変えて表現します。この時、動詞は原形を使う点に注意しましょう。ちなみに「did not」は「didn’t」と省略可能です。

Aさん
l do not play tennis.
訳)私はテニスをしない
Aさん
l did not play tennis.
訳)私はテニスをしなかった

また、be動詞を使った過去形の疑問文を作りたい時は、be動詞を文の頭に持っていきます。一般動詞を使った過去形の疑問文を作る場合には、文の頭に「did」を置きましょう。この場合もやはり動詞は原形となるので注意しましょう。答える時も過去形になるので覚えておいて下さい。

Aさん
Do you play tennis?
訳)あなたはテニスをしますか
Aさん
Did you play tennis?
訳)あなたはテニスをしましたか

Bさん
Yes,I did.

 

Bさん
No,I didn’t.

 

過去形の間違いやすいポイントとは?

過去形で間違いやすいポイントは、一般動詞の変化の形でしょう。不規則に変化する動詞が多くあり、それらを覚えておらず単に「ed」を付けてしまうという間違いはよくあります。「ed」を付けるだけの動詞でも、単語によっては少し形を変える必要があり、これも間違いやすいポイントです。一般動詞の過去形については、次に詳しく解説するのでそちらで確認して下さい。be動詞を使った過去形の表現では、be動詞の後に動詞を置いてしまうという間違いもよくあるので注意しましょう。

また、英語の過去形の表現では現在の状態を表すことはできない点についてはすでに解説しました。そのため、過去の状態と同時に今はそれと違う状態であることも表現したい時は、「used to」を使う方が適していると言えます。これは過去形との使い分けで間違いやすいので覚えておきましょう。さらに過去形と過去進行形の違いにも注意が必要です。

Aさん
He used to be so beautiful.
訳)彼は以前は美しかったが今は美しくない

過去に継続していたことを表したい時は過去進行形を使う必要があるので、過去形と間違えないようにしましょう。過去進行形は基本的に、be動詞の過去形の後に動詞にingを付けたものを置いて表現します。

Aさん
He was teaching me tennis at 3pm yesterday.
訳)昨日の午後3時に彼は私にテニスを教えている最中でした

一般動詞の過去形を覚えよう

一般動詞の過去形は、動詞の最後に「ed」を付けるだけの規則動詞と、不規則に変化する不規則動詞があります。

規則動詞にはどのようなものがあるの?

規則動詞にはplayやlookなどがあります。それぞれplayed、lookedとすれば過去形です。動詞の原形の最後が子音字+yの場合は、yをiに変えてから「ed」を付ける必要があるため注意しましょう。例えばstudyはstudiedという形になります。原形の最後が短母音+子音字の動詞は、子音字を重ねて「ed」を付けなければいけません。例えばstopはstoppedとなります。原形の最後がeの動詞はdだけ付けることになり、例えばlikeはlikedが過去形です。

不規則動詞にはどのようなものがあるの?

過去形が不規則に変化する動詞は様々ありますが、変化のパターンによって以下の4つに分類することもできます。

・1文字だけ変わる
・2文字以上変わる
・形に変化がない
・完全に変わる

1文字だけ変わる動詞にはbeginがあり、過去形だとbeganです。tellの過去形はtoldなので、2文字以上変わることになります。cutは過去形もcutであり、形に変化がなく発音も同じです。readも過去形の形が変わらない動詞ですが、発音は変わるので注意しましょう。goの過去形は完全に変わってwentとなります。他にも数えきれない程の不規則動詞があり、活用するためには暗記をするしかありません。

過去形を使った英語の例文を紹介

be動詞や一般動詞を使った過去形を、例文で確認していきましょう。

be動詞を使った過去形

Aさん
I was sick.
訳)私は病気でした。
Aさん
I wasn’t sick.
訳)私は病気ではありませんでした。
Aさん
Were you sick yesterday?
訳)あなたは昨日病気でしたか。

 

規則動詞を使った過去形

Aさん
I talked with you yesterday.
訳)私は昨日あなたと話をしました。
Aさん
I didn’t talk with you yesterday.
訳)私は昨日あなたと話をしませんでした。
Aさん
Did you talk with him yesterday?
訳)あなたは昨日彼と話をしましたか。

不規則動詞を使った過去形

Aさん
I went to Tokyo yesterday.
訳)私は昨日東京に行きました。
Aさん
He made a cake last night.
訳)彼は昨夜ケーキを作りました。
Aさん
She ate breakfast.
訳)彼女は朝食を食べました。
Aさん
I had a meeting yesterday.
訳)私は昨日会議をしました。
Aさん
He gave a present to her.
訳)彼は彼女にプレゼントをあげました。
Aさん
I saw him last year.
訳)私は去年彼に会いました。

なお不規則動詞を使った過去形の否定文と疑問文でも、規則動詞を使った過去形と同じように動詞は原形となります。例文は規則動詞を使った過去形の場合のものを参考にして下さい。

英語の過去形を使いこなそう

英語の過去形を表現するためには、規則動詞と不規則動詞を使い分ける必要があります。特に不規則動詞は覚えるしかないため、多くの単語を暗記しておくことも重要です。また「did you」という表現は、過去形だけに使うものではない点も注意しましょう。これについては以下のリンク先を参考にして下さい。

英語での「did you」の使い方は「過去形」だけじゃない!


今回紹介した間違いやすいポイントと合わせて参考にしながら、英語の過去形をマスターしましょう。