単語と文法の知識は英語を勉強するうえで非常に重要です。この2つを覚えておくと、英語の読み書きがスムーズに行えます。また、スピーキングやヒアリングにおいても、語彙力が基本です。ただ、膨大な量の単語を暗記するのが苦になる人も少なくありません。この記事では、効率的に英語を暗記できる覚え方について解説します。

英語学習の基本!英単語を覚える習慣を身につけよう

単語集選びは基本編から

まずは、「単語集」と呼ばれている教材を手に入れましょう。単語集には、英語学習で重要な語句が意味や発音とともに掲載されています。解説が載っている単語集も多く、効率的に英単語を覚えられるアイテムです。ただし、単語集にはレベルがあり、いきなり応用編や上級者向けを購入するのはおすすめできません。英語学習では、頻出する基礎的な語句を優先的に覚える必要があります。初心者はまず、基本的な語句が集まっている単語集を選びましょう。そして、内容を繰り返し読み込み、完全に覚えます。そのうえで、難易度の高い単語集へと進むようにします。

暗記方法と注意点

単語集で語句を覚えるとき、「独自の読み方を編み出す」人もいます。たとえば、「rain」という単語を覚えるとき、ローマ字で「ライン」と置き換えてしまうパターンです。確かに、この覚え方なら英語になじみのない場合でも、簡単に綴りを記憶できるでしょう。しかし、正しい発音を覚えられないので実践的ではありません。読み書きはできたとしても、会話には応用ができないのです。単語集を使うときは、発音までしっかりチェックしましょう。そして、声に出しながら頭に叩き込んでいくのが理想です。それに加えて、ノートに単語を書き写していけば「目」「耳」「手」「口」の4つを使って効率的に暗記できます。

重要な単語を覚えると英語はマスターしやすい

中学英語で重要な語句はカバーできる

中学英語で重要な語句はカバーできる

一般的に、英会話を問題なく行うために必要な語彙数は1000個前後だとされています。すなわち、英語学習ではどんどん単語を詰め込むのではなく、重要度の高い語句を完璧に覚えるほうが大切なのです。そのためには、「中学英語」にさかのぼって勉強しましょう。なぜなら、日本の英語教育において、中学校で暗記する語句の数は1100~1200ほどだとされているからです。日常会話レベルの英語であれば、中学校の授業に出てくる単語さえ覚えればおよそ理解できます。ただ、単純に英単語を覚えるだけでは読解力も会話力も伸びません。中学英語を深く学んでいくことが肝心なのです。

一つひとつの単語を完璧に覚える

たとえば、「take」という基礎的な単語があります。多くの人が「~を取る」という意味で認識している動詞です。ただ実際には、「~をつかむ」「~を捕らえる」「~を抱く」など、複数の意味を持っています。また、「take to~」「take out」「take off」など、語句の連結(イディオム)を生み出す単語としても有名です。中学単語の時点で、takeのように複数の意味を持った重要語句はたくさん出てきます。単語を暗記する際は、よく知られている意味だけチェックするのではなく、使い方を完璧に記憶していきましょう。そうすれば、中学英語を学ぶだけでもかなりの語彙力を身につけられます。

単語の次は文法を!自分で書いて覚えていこう

独学の英語学習は単語優先

学校や予備校の英語学習では、単語と文法を同時に教えていくことが定番です。ただ、独学で英語を勉強し直す際は、単語を優先的に覚えましょう。重要な英単語の意味を知っておけば、文法を学び始めても「知っている語句を並び替える」だけで済みます。そもそも、単語を暗記している際に使い方まで理解できているはずなので、文法の基礎も自然に習得していけます。「過去形」「現在進行形」「受動形」など、動詞の活用も単語を暗記しているときに覚えてしまえばいいのです。そのうえで、文法を深く理論的に学んでいけば英語力を補強することが可能です。

問題集だけでなく英作文を

文法を暗記するには、問題のついている参考書が役立ちます。ある項目について、実際に問題を解いていけば自分の理解度を確かめられるからです。ただ、それだけでは試験対策の英語学習になりがちで、実践的な読解力、会話力を求めている人の目的に合いません。そこで、学んだ文法を使った英作文に挑戦してみましょう。たとえば、「未来形」を学んだとすれば、実際に「will」や「be going to~」といった語句を使い、作文を完成させます。添削はインターネット上の翻訳サイトで十分可能です。もしも意図した日本語訳が出てこないときは、参考書を見ながら正しい文章に直していきましょう。こうした実践を踏まえれば文法も着実に覚えられます。

応用編!英語を文章で覚えて単語力と文法力を高める

実用的な文章に触れる

基礎的な単語集、文法の参考書を何度も読み返して、中身を完全に覚えたら応用編に進みましょう。文章ごと、語句や文法を覚えられる単語集を買って、隙間時間に目を通します。こうしたタイプの単語集で得られるメリットは「実用的であること」です。覚えた単語が、どのような文脈で使用されるのかをイメージできます。また、文法とともに英語力を補強できるので、読解力も高まっていきます。次に、「変則的な表現」を確認できるのも魅力です。英語表現は常にテキスト通りとはいきません。省略や倒置法など、変則的な文章をたくさん読み込んでいきましょう。

最初は日本語訳なしで読んでいく

最初は日本語訳なしで読んでいく

文章で覚えるタイプの単語集を開いたら、最初は日本語訳を読まないのがコツです。現時点での読解力、単語力を試すためにも自力で読み進めていきます。もちろん、初めて見る単語、表現もあるでしょう。ただ、1000前後の重要語句を覚えておけば、文脈から意味を予測することも可能です。こうした予測のスキルは、今後、英語に触れていくうえでとても大事です。それに、自分の頭で考え、悩むことで単なる丸暗記にならず、文章の意味をじっくり覚えられます。そして、自力で日本語訳をしてから答え合わせをしていきましょう。どの部分を間違ったのか確かめて、完璧に覚えられるまで繰り返し読み込みます。

CDを使って時と場所を選ばない英語学習を実現

正しい発音を学べる

英単語の覚え方として、CDを使う人も少なくありません。CDはオーディオプレイヤーさえあれば、どのような場所でも手軽にイヤフォンから流せます。単語帳を開くスペースすらない、満員電車の中であっても英語学習が可能です。また、マイカーの運転中、家事をしているときなどにもCDで英語を流しておけば勉強時間を効率化できます。何より、英語の正しい発音を学べるのはこの学習方法の最大のメリットです。読解力は優れていても、スピーキングやヒアリングが苦手な人はいます。そうならないよう、CDで会話力を高めましょう。

英語への苦手意識を克服

無意識のうちに抱いている、英語への苦手意識を克服するためにもCDは効果的です。なぜ英語学習で不安を抱く人がいるのかというと、「そもそも英語に慣れ親しんでいない」からです。自分にとって非日常的な言語であるため、学びのハードルを高く感じてしまうのです。CDを流す習慣によって英語は身近な存在になり、少しずつ苦手意識を克服できます。CDの発音をリピートすることで上達を実感もできるので、モチベーションアップにもつながります。

英語の覚え方はいろいろ!基礎を大切にして学ぼう

単語集や参考書、CDなど英語の覚え方にはさまざまな方法があります。大切なのは、基礎を疎かにせず着実に英語を理解していくことです。いきなり難しい単語を覚えなくても、最初は中学校レベルの語彙でかまいません。そのうえで、一つひとつの語句や文法を細かく学んでいきます。そういった地道な学習の積み重ねが英語習得への道となるのです。