「英語で何て言う?」コーナー、今回は「それぞれ」などの意味などを持つ「each」についてです。
「each」は形容詞や代名詞、副詞としてはたらき、その用法もさまざまです。
今回は「each」についての基本的な意味や基本表現、応用表現を解説します。

「each」を使った基本表現

形容詞としてはたらく「each」:「それぞれの」

「each」が形容詞としてはたらくときは、単数名詞をあとにともなって用いられます。
「それぞれの」や「めいめいの」、「各…」などの意味を持ちます。

「each」は全体に関係なく1つ1つを個別に示すため、「each boy(めいめいの少年)」のように、あとの名詞は単数形です。「every」は、「どれもこれもみな」と個別的に全体を述べる語なので、「each」と同様に「every boy(どの少年も)」のようにあとの名詞は単数形です。しかし、「all」は「みな」と全体をまとめて述べる語なので、「all the boys(その少年たち全部)」のようにあとの名詞は複数形です。
「each」と「every」は後に続く名詞が単数形になるという点で用法は同じですが、意味的には少しニュアンスが異なります。「each」は人や物を1つずつ別々にわけて考えている時に用いられ、個々の特徴に注目しています。「every」は人や物を1つの集合として考えている時に用いられ、個別性は重視していません。
Aさん
Each group has ten minutes to present their work.
訳)それぞれの班には勉強の成果について10分の発表時間がある。

Aさん
Each question has hour choices.
訳)各問いとも4つの選択肢があります。

Aさん
I try to jog for 30 minutes each day.
訳)1日に30分ジョギングするようにしている。

Aさん
There is a window on each side of the door.
訳)ドアの両側にそれぞれ窓がある。

Aさん
Please take this cold medicine three times a day after each meal.
訳)このかぜ薬は1日3回毎食後に飲んでください。

Aさん
Each country has its own customs.
訳)<ことわざ>どの国にもそれぞれの習慣がある。
(意訳:所変われば品変わる。)

「every」や「all」を使った例文も紹介します。後に続く名詞や、文の中での用いられ方に注目してみましょう。

Aさん
Every student has their own locker.
訳)生徒はみんな自分のロッカーを持っている。

Aさん
The Olympic Games take place every four years.
訳)オリンピックは4年ごとに行われる。

Aさん
Not every member of the team can become a regular.
訳)すべての部員がレギュラーになれるわけではない。

解説)「every」が「not」といっしょに用いられると、「みな…とはかぎらない」という部分否定の意味になります。これに対して「だれもレギュラーになれない」という全体否定は「No member of the team can become a regular.」と表現します。
Aさん
All children like toys.
訳)こどもたちはみんなおもちゃが好きだ。

Aさん
You can have all the cookies.
訳)クッキーを全部食べていいよ。

Aさん
Not all students learn the same way.
訳)すべての学生が同じように学習するわけではない。
(意訳:学習のしかたは生徒によってさまざまだ。)

解説)「all」が「not」といっしょに用いられると、「全部が…とはかぎらない」という部分否定の意味になります。

代名詞としてはたらく「each」:「それぞれ」

「each」が代名詞としてはたらくときは、人にも物に用い、単数扱いが一般的です。「それぞれ」や「各自」、「めいめい」などの意味を持ちます。
Aさん
They each did their best.
訳)彼らはめいめいベストをつくした。

Aさん
Kanji were made in ancient China. Each of them has its own meaning.
訳)漢字は古代中国でつくられた。それぞれの文字に意味がある。

Aさん
Hiragana and katakana were created in Japan. Each of them represents sounds only.
訳)ひらがなとカタカナは日本で考案された。それぞれの文字は音のみを表す。

副詞としてはたらく「each」:「1人[1つ]につき」

「each」が副詞としてはたらくときは、「1人につき」や「1つにつき」、「それぞれ」などの意味を持ちます。
Aさん
Take one each.
訳)1人1つずつとってください。

Aさん
The apples cost 100 yen each.
訳)リンゴは1個100円です。

「each」を使った応用表現

この章では「each」を使った応用表現を紹介します。

「each time」:「…するたびに」

「each time」は「そのたびに」や「…するたびに」といった意味を持ちます。ここでは「each」を形容詞として用いています。
Aさん
John tried three times, but each time he failed.
訳)ジョンは3度やってみたが、毎回失敗した。

Aさん
Each time he came, he gave me a book.
訳)彼は来るたびごとに、私に本をくれた。

解説)この「each」は接続詞的に用いられています。

「each of the[one’s] + 複数名詞」:「それぞれの…」

「each of the[one’s] + 複数名詞」は「それぞれの…」や「めいめいの…」、「各…」といった意味を持ちます。ここでは「each」を代名詞として用いています。形容詞の「each」と似ていますが、あとに複数名詞がくる点が異なります。
Aさん
Each of the boys has his own bicycle.
訳)その男の子たちはそれぞれが自分の自転車を持っている。

解説)「Each of the boys」は単数扱いのため、「Each of the boys have his own bicycle.」としてはいけません。

「each other」:「おたがい(に)」

「each other」は「おたがい(に)」という意味をもちます。ここでは「each」を代名詞として用いています。「one another」も同様の意味を持ちます。
Aさん
We’ve known each other for years.
訳)私たちは何年もの間おたがいを知っている。
(意訳:長年の知り合いだ。)

Aさん
We keep in touch with each other by e-mail.
訳)私たちはメールでおたがい連絡をとっている。
(意訳:メールで連絡をとり合っている。)

Aさん
They looked at each other.
訳)彼らはたがいに顔を見合わせた。

解説)「each other」は代名詞であるため、「at」を省くことはできません。
Aさん
Americans fought against each other in the Civil War.
訳)南北戦争ではアメリカ人同士が戦った。

Aさん
We must help one another.
訳)私たちは助け合わなければならない。

Aさん
They gave presents to one another.
訳)彼らはプレゼントを好感した。

解説)「to」をつけ忘れないように注意しましょう。

まとめ

今回は「それぞれ」などの意味を持つ「each」を使った基本表現や応用表現を紹介しました。
「each」は単数として扱うことに注意しましょう。また、「おたがいに」を意味する「each other」は頻出熟語です。ぜひ覚えて使ってみてくださいね。
では、次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)