「英語で何て言う?」コーナー、今回は「down」についてです。
「down」はさまざまな動詞とともによく使われ、よく耳にする単語です。しかし、実際に英語を話す時には意外と使えなかったりする単語でもあります。逆に、うまく使えばこなれた英語が話せるともいえる単語です。
本日は、その「down」の基本的な意味や表現について解説します。

「down」の基本的な意味について

「down」には、おもに副詞、前置詞、形容詞の意味があります。
ここでは、それぞれの代表的な意味を取り上げて説明します。

副詞「down」について

副詞は名詞以外の言葉の意味付けをします。例文で「down」は、それぞれの動詞をより詳しく説明する役割です。

「(動作・位置・静止の状態をさして)下へ(に)、下がって)」という意味
Aさん
Go down to the first floor by escalator.
訳)エスカレーターで1階に下りてください。


「(中心地・話し手などから)はなれて、(地図上で)南へ」という意味
Aさん
He came down from London to see us.
訳)彼は私たちに会いにロンドンからやってきました。


「(価格・数量などが)下がって、(勢いが)落ちて」という意味
Aさん
Turn down the TV.
訳)テレビの音を小さくしなさい。

前置詞「down」について

「down」には、前置詞で「…を下って、下りて」という意味もあります。副詞と何が違うのか分かりづらいですが、名詞(名詞句)の前に来ることと、意味を考えることで見分けると良いです。
「down」には「下へ」というイメージがありますが、次の例文などのように、必ずしも道が下り坂でない場合にも、「along」と同じような意味で使うことがあります。
「(道など)を通って、…にそって、…を通っていったところに」という意味
Aさん
The children walked down the street.
訳)子どもたちはその道を歩いていきました。

形容詞「down」について

形容詞「down」は、名詞の前にのみ用いて、「下への、下りの」という意味です。
Aさん
a down elevator
訳)下りのエレベーター


Aさん
a down train(line)
訳)下り列車(線)

上り下りではなく、「a train for Boston」のように行き先をいうのが普通です。

「(アメリカの口語で)元気のない、気落ちした、(コンピューターなどが)作動しない」という意味
Aさん
You look a little down today. Are you OK?
訳)きょうはちょっと元気がなさそうだけど、だいじょうぶですか?


名詞の前にある形容詞は分かりやすいのですが、それ以外の時には副詞と混同しやすい場合も多いです。代表的な見分け方としては、その単語を取っても意味が通じれば副詞、通じなければ形容詞という方法があります。
もともと「down」は「off(離れて)」と同じ語源から派生した単語と言われています。
「down」のコアの意味は「下にあること」というもので、何かが減少したり、距離が離れたり、失われたりするイメージもあることを覚えていてください。

「down」の意味を含む「downstairs」について

「down」の意味を含んだ「downstairs」もよく使われる単語です。
「downstairs」には、「階下へ(で)、下の階へ(で)」、「(名詞の前にのみ用いて)階下の」という意味があります。
「go down the stairs」と言うと「階段を降りる」という意味になるので、混同しないように注意が必要です。

Aさん
I went downstairs for dinner.
訳)夕食を食べに階下に下りました。


Aさん
Mom is downstairs in the kitchen.
訳)お母さんは下の台所にいますよ。


Aさん
a downstairs room
訳)階下にある部屋


「downstairs」の反意語は、「upstairs(上の階へ)」です。
Aさん
Her room is upstairs.
訳)彼女の部屋は2階(上の階)にあります。

「go upstairs」で、しばしば2階の寝室(トイレ)へ行くことを意味します。
「downstairs」と「upstairs」は、基本的に意味が反対なだけで使い方は同じなのですが、「downstairs」には「1階」という意味もあるので、覚えておいてください。

「down」を用いた日常で使える英語表現について

それでは、「down」を使った英語文をご紹介します。
Aさん
Please sit down.
訳)どうぞ座ってください

※命令の「Sit down」は学校で先生が生徒に言う時などに使う表現です。
それ以外の場合は「have (take) a seat」が一般的です。


Aさん
We lay down on the grass.
訳)私たちは草の上に寝転びました。


Aさん
We went down the river in a boat.
訳)私たちは船で川を下りました。


Aさん
He lives just down this street.
訳)彼はこの通りをちょっと行ったところに住んでいます。


Aさん
I feel down today.
訳)きょうは気分がめいっています。


Aさん
Could you turn down the heat?
訳)暖房を弱くしてもらえますか?


Aさん
He got down on his knees and prayed.
訳)彼はひざまずいて祈りました。


Aさん
I’m coming down right now.
訳)いますぐ降りて行きます。


Aさん
Let’s pull(take) down the tent.
訳)テントをたたみましょう。

※「テントを貼る」は「 put up the tent」


Aさん
Mai felt really down because of her test results.
訳)麻衣はテストの成績のことですっかりしょげていました。


Aさん
I bent down to pick up my key.
訳)私はかがんでかぎを拾いました。


Aさん
Our old car broke down again.
訳)うちの古い車がまた故障しました。


Aさん
The temple burned down.
訳)その寺は全焼しました。


Aさん
Calm down and tell me what happened.
訳)落ち着いて何があったか話してください。


Aさん
He climbed down the ladder.
訳)彼ははしごを降りました。


Aさん
That photo is upside down.
訳)その写真、上下がさかさまですよ。


Aさん
I’m tired. I want to lie down.
訳)疲れたので横になりたいです。


Aさん
I think he looks down on me.
訳)彼は私を見下していると思います。


Aさん
OK,time’s up.Put your pencils down.
さあ、時間です。鉛筆を置いてください。


Aさん
The car slowed down.
訳)車はスピードを落としました。
※「speed down」とは言いません。


Aさん
The bear was walking up and down in the cage.
訳)クマはオリの中を行ったり来たりしていました。


Aさん
I wrote down his phone number in my notebook.
訳)彼の電話番号を手帳に書き留めました。


Aさん
Our family has settled down in this town.
訳)私たち家族はこの街に落ち着きました。

まとめ

例文にもあるように、「down」は実にさまざまな場面で使われる単語です。
本日一番覚えて欲しい「down」の使い方は…
Aさん
Could you tell me the way to the stadium?
訳)球場へ行く道を教えていただけませんか?


と聞かれたら、
Bさん
Sure. Go straight down this street.
訳)いいですよ。この道をまっすぐ行ってください。

と、「下へ」の意味ではない「…に沿って」という「down」をぜひ使ってみてください。
それでは次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)