食事と関係しているだけあって、「delicious」はとても身近な言葉です。日本人であっても英語を習い始める前から、すでに自然に知っていたという方も多いでしょう。
今日は、慣れ親しんでいる「delicious」について、その基本的な意味と表現をご紹介します。また、同じ意味を持つ単語との比較や、味をあらわす単語なども解説します。

「delicious」の基本的な意味について

「delicious」は、食べ物や料理が「とてもおいしい、香りのよい」という意味の形容詞です。

Aさん
How was the apple pie?
訳)アップルパイの味はどうでしたか?

Bさん
It was delicious.
訳)とてもおいしかったです。


Aさん
It smells delicious.
訳)それはよい香りがします。

「delicious」のみで、「とてもおいしい」という強い意味をもつので、普通「very delicious」とは言いません。
「とてもおいしいです」という日本語に惑わされると、つい「very」を前につけたくなってしまいそうなので注意が必要ですね。
惑わされるといえば、食事の際の「いただきます」、「ごちそうさま」という日本語にも注意です。
英語にはこの挨拶にあたる言葉がありません。「いただきます」は、「Let’s eat.(食べましょう)」と言ったり、キリスト教徒の方は「We thank thee for this food.(このお恵みに感謝いたします)」などと言ったりします。
また、食事をごちそうになった時には、積極的に褒めるのが英語圏でのマナーです。

Aさん
That was a wonderful dinner.
訳)すばらしい夕食でした。

Bさん
I’m glad you like it.
訳)気に入っていただけてよかったです。

ほかにも、

Aさん
This meal was delicious.
訳)とてもおいしかったです。


Aさん
Thank you for the meal.It was delicious.
訳)お食事ごちそうさまでした。とてもおいしかったです。


Aさん
That was a delicious dinner.
訳)とてもおいしい夕食でした。

などの表現を覚えておくとよいでしょう。
また、単に食事が済んだことを伝えるときは、

Aさん
I’m full.
訳)お腹がいっぱいです。


Aさん
I’m finished.
訳)食べ終わりました。

のように言うとよいでしょう。

「delicious」を使った基本表現について

それでは、「delicious」を用いた基本的な英語文をいくつかご紹介しましょう。

Aさん
My mother made a delicious cake to celebrate my birthday.
訳)母はおいしいケーキを作って誕生日を祝ってくれました。


Aさん
Thank you for the delicious cake.
訳)おいしいケーキをありがとうございます。


Aさん
I’ve never eaten delicious pie like this.
=I’ve never eaten such delicious pie.
=This is the most delicious pie(that) I’ve ever eaten.
訳)こんなおいしいパイは食べたことがありません。


Aさん
The food at that restaurant is delicious and yet inexpensive.
訳)あのレストランは美味しくて、しかも安いです。


Aさん
What a delicious pie this is!
訳)これはなんておいしいパイなんでしょう!


Aさん
How does it taste? =How do you like it?
訳)味はいかがですか。

Bさん
It tastes very delicious.
訳)とてもおいしいです。


Aさん
Mmm! This is delicious!
This is delicious!
How delicious!
訳)うーん、おいしい。

「おいしい」という言葉は、「delicious」のほかにもいくつかあります、違いを説明しながらご紹介しましょう。

「美味しい」の様々な英語表現の違いについて

「delicious」と同じ意味で使われる単語には、「good」・「nice」・「tasty」などがあります。「yammy」という言葉も聞いたことがある方がいらっしゃるでしょう。
「good」と「nice」は「良い」という意味もありますが、ほぼ同じように使われています。厳密にいうと「good」は一般に質が良いことを、「nice」は人に与える感じが良いことをあらわします。
そのことを踏まえて、次の文を見てみてください。

Aさん
It looks good.
It looks nice.
訳)(見た目が)おいしそうですね。

両方とも日本語にすると「おいしそう」ですが、
「It looks good.」は「質が良さそう」な「おいしそう」で、
「It looks nice.」は「なんかいい感じ」な「おいしそう」です。

どうですか?違いが何となく感じられたでしょうか。
別の英語文でも考えてみてください。

Aさん
How do you like my cookies?
訳)私のつくったクッキーはどうですか?

Bさん
They are very good.
とてもおいしいです。


Aさん
This cake looks nice.
訳)このケーキはおいしそうです。


Aさん
We ate(had)a good supper.
訳)私たちはおいしい夕食を食べました。

文章中の「good」と「nice」を取りかえても、まったく問題はありません。
「good」も「nice」も、普通そこまで違いを意識されずに、よく使われている言葉です。

むしろ「delicious」の方が高級なイメージがあり、あまり使われていないかもしれません。「delicious」は、少々格式の高さを感じさせる言葉なのです。
一方、「tasty」は「味、香りがよい」というニュアンスで使われます。風味が感じられる料理のときなどは、

Aさん
Oh,it’s tasty.
訳)ああ、(香りがよく風味があって)おいしいです。

などと言う方が、しっくりくるでしょう。
「yammy」は口語表現で、「おいしい」というより「うまい」という感じです。小さい子どもがよく使ったりします。「yam-yam」は「うまいうまい」という意味で使われています。
また、「おいしい」と反対の意味で「まずい」という時には「bad」・「lousy」・「awful」などが使われます。

Aさん
This dish tastes bad.
This dish is lousy(awful).
訳)このおかず、まずいですね。

この場合、「bad」よりも「lousy」や「awful」の方が程度が強いです。あまり使われないことを願います。

味をあらわす言葉について

では、「おいしい」から少し範囲を広げて、いろんな味を言いたい時に使える単語をいくつかご紹介しましょう。

sweet「あまい」

Aさん
I love sweet things.
訳)私は甘いものが大好きです。


Aさん
These flowers have a sweet smell.
訳)この花はあまい香りがします。

sour「すっぱい」

Aさん
These grapes are sour,aren’t they?
訳)このブドウ、すっぱいですね。

ちなみに、「sour grapes(すっぱいブドウ)」は、イソップ童話からの表現で、「自分が欲しいけれども入手不可能なため軽蔑したふりをしているもの、負け惜しみ」という意味で使われます。

salty「塩からい」

Aさん
This dish is kind of salty,isn’t it?
訳)この料理、ちょっとしょっぱいですね 。

bitter「苦い」

Aさん
This coffee is really bitter.
訳)このコーヒーはとても苦いですね。


Aさん
(A)good medicine tastes bitter.
訳)良薬は口に苦し

hot「からい」

Aさん
This curry is very hot.
訳)このカレーすごく辛いですよ。

まとめ

今日覚えていただきたいことは、「delicious」は少し格式ばった言葉ではあるけれど、「とてもおいしい」という強い意味を持っていて、
「very」をつけて使う必要がないこと
日常会話では、「good」や「nice」をよく使うということ
英語には「いただきます」や「ごちそうさま」にあたる言葉はなく、食事をご馳走になったときには、積極的に褒めるのがマナーであるということ
です。
しっかり覚えて、食事のときは「おいしい!」と、気分良く楽しく食べたいですね。
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)