「英語で何て言う?」コーナー、今回は「cry」についてです。
2019年の秋は、ラグビーのワールドカップが盛り上がりましたね。試合の前に行われる、ニュージーランドの「ハカ」やトンガの「シピ タウ」などの「war cry」と呼ばれる儀式が、とても目立っていました。
また、フィギュアスケートなどで、競技後に選手とコーチが結果を待つコーナーのことを「kiss and cry」と呼びます。
実は、ラグビーの「war cry」とスケートの「kiss and cry」の「cry」は意味が違います。
今日は、この「cry」という言葉について掘り下げていきましょう。

「 cry」の基本的な意味について

先に述べた通り、「cry」の一般的な意味は「泣く」です。

Aさん
Don’t cry ,Meg.
訳)メグ、泣かないでください。

Aさん
The baby is crying again.
訳)赤ちゃんがまた泣いていますよ。


スケートの「kiss and cry」は、コーチと選手が結果の良し悪しによって、お祝いのキスをたり、悔し涙を流したりする場所です。つまり、「cry」は「泣く」という意味で使われています。
さて、「cry」のもう一つの意味は何でしょうか。次の英語文で考えてみてください。

Aさん
I cried (out) in pain.
私は痛くて大声をあげました。

“Fire!” cried the boy.
「火事だ」とその少年はさけんだ。


「cry」のもう一つの意味は「叫ぶ、大声を出す」で、「shout」と同義語です。
また、「泣き声、さけび(声)」、「(鳥・動物の)鳴き声」という意味の名詞としても使われます。
Aさん
He gave a loud cry.
訳)彼は大きなさけび声をあげました。

つまり、ラグビーの「war cry」は「戦いのための叫び」ということになります。「cry」によって、士気を高め、相手を威嚇しているのです。
「叫ぶ」というと「scream」も思い浮かびますが、こちらは「悲鳴をあげる、金切り声をあげる」という意味です。「cry」や「shout」よりも激しいイメージです。
Aさん
The boy screamed with pain.
訳)その男の子は痛くて悲鳴をあげました。

「scream」を使うと、すごく痛い感じがしますね。
また、「(鳥・動物の)鳴き声」については、「cry」を使うこともありますが、英語の場合は動物によって鳴き声が違うことが特徴です。

sing鳥がさえずる
meow猫がニャーオと鳴く
bark犬がほえる
chirp虫が鳴く など

Aさん
Our canary sings sweetly.
訳)うちのカナリアは綺麗な声で鳴きます。

Aさん
The cat is meowing for food.
訳)猫が餌が欲しいって鳴いていますよ。

「cry」「sob」「weep」の違い

「cry」と同じ「泣く」という意味の言葉で、「sob」や「weep」という単語があります。
「cry」は特に子どもが声をあげて泣く場合を表すことが多く、「泣く」という意味で最も一般的な言葉です。ただし、涙を流すだけの場合にも使われます。
「sob」は「すすり泣く」、「泣きじゃくる」の意味で、「cry」と比べると、泣いている様子やしゃくり上げるような動作に注目している言葉です。
「weep」は改まった語で「涙を流して静かに泣く」ことを表します。「すすり泣く」という感じです。

  • She began to cry.
  • She began to sob.
  • She began to weep.

これらはすべて「彼女は泣き出しました」という意味ですが、それぞれの違いを思い浮かべてみると、泣き方の微妙な違いが感じ取れると思います。

Aさん
She began to cry.
訳)彼女は(声をあげて)泣き出しました。

Aさん
She began to sob.
訳)彼女は(しゃくり上げるように)泣き出しました。

Aさん
She began to weep.
訳)彼女は(涙を流して静かに)泣き出しました。


また、「cry」が「sob」や「weep」と決定的に違うのは、「さけぶ」という意味があることです。「sob」や「weep」にはこの意味はありません。
そして、「cry」からは少し離れてしまいますが、「泣く」ということを表現する時に、「tear」という名詞を使って表すこともできます。普通は複数形で使われます。

Aさん
Her eyes were filled with tears.
訳)彼女の目はなみだでいっぱいでした。

Aさん
The girl burst into tears.
訳)その女の子はわっと泣き出した。

Aさん
The boy was in tears.
訳)その男の子はなみだぐんでいた。

「cry」に比べて「tear」を使った場合は、「なみだをぽろぽろ流す」というイメージです。

「cry」を使ったいろいろな表現

続いて、「cry」を使ったイディオムと日常会話で使えそうな表現をいくつかご紹介しましょう。

▼cry for …をほしがって泣く、(人)をさがして泣く、(大声で)…を求める
Aさん
The baby was crying for milk.
訳)赤ちゃんはミルクを欲しがって泣いていました。

▼cry out 大声を出す
Aさん
The man cried out when he jumped into the hot bath.
訳)熱い風呂に飛び込んだ時、その男は大声をあげました。

▼cry over (不幸・失敗など)をなげいて泣く
Aさん
It is no use crying over spilt milk.
訳)(ことわざ)溢れたミルクをなげいても無駄だ=覆水盆に返らず

Aさん
Don’t cry.
訳)泣かないでください。

Aさん
What are you crying about?
訳)どうして泣いてるのですか?

Aさん
I really felt like crying.
訳)ほんと泣きたい気分でした。

Aさん
We cried for joy.
訳)ぼくたちはうれしくて泣きました。

Aさん
The little boy cried really loud for his mother.
訳)その幼い男の子はお母さんをさがしてわんわん泣きました。

Aさん
I tried not to cry, but I couldn’t help it.
訳)泣くのをこらえましたが、泣かずにはいられませんでした。

Aさん
The boy kept on crying.
訳)男の子は泣き続けました。

Aさん
I noticed her crying.(=I noticed (that) she was crying.)
訳)私は彼女が泣いているのに気づきました。

Aさん
I heard someone cry out.
訳)だれかがさけぶ声が聞こえました。

Aさん
The shepherd boy cried out,”Here comes the wolf”.
訳)その羊飼いの少年は「オオカミが来る」と叫びました。

Aさん
She cried,”Help me!” from her car.
訳)彼女は「助けて!」と車から叫びました。

Aさん
The mother cried her son’s name.
訳)母親は息子の名前を大声で呼びました。

まとめ

今日覚えていただきたいことは、
▼「cry」には「泣く」のほかに「叫ぶ、大声を上げる」という意味がある
▼「cry」「sob」「weep」で、それぞれ泣き方が異なる
ということです。

それにしても、「泣く」という行為は不思議です。
涙が流れることによって身体や心にどんなことが起こっているのか、なぜ私たちは涙を流すのか。
さまざまな理論があり、未だ解明されていないそうです。
ただ、「泣くとスッキリする」のは確かですよね。
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)