この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「牛」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。

「牛」は、哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ウシ亜科の動物です。全世界では15億頭近い牛が飼育されているといわれています。

西洋では古くから牛肉食・酪農を目的とした飼育・放牧が行われており、日本でも牛は牛肉や牛乳など食用として重宝されています。

このように牛肉食文化は世界中に存在していますが、主にインドで信仰されている「ヒンドゥー教」では、牛は神聖視されています。そのため、「ヒンドゥー教」では牛肉を食べることが禁止されています。

「干支」においては、2番目に位置する「丑」として登場します。また、「丑」は方角では北、時刻では午前1時から3時を示しており、この位置は鬼が出入りする方角「鬼門」として知られています。そのため「丑」が差す方角・時間には、日本古来の呪術「丑の刻参り」が行われることでも有名です。

そんな「牛」のつく「ことわざ」を今回は5つ選んで英語に訳しました。

1.牛の角を蜂がさす

「牛の角を蜂がさす」は、痛くもかゆくもないことを例えた「ことわざ」です。大きな体と丈夫な角を持つ牛を、小さな体の蜂がさしたところで効果がないことが由来しています。

英語では

「A bee stung a horn of a cow.」

と翻訳することができます。

“sting”は(蜂などの)昆虫が「~を刺す」という意味で、”stung”は”sting”の過去形です。

2.暗がりから牛

「暗がりに牛」は、暗がりに牛がいると、居るのか居ないのか分からないことから、物事が明確でないことを例えた「ことわざ「です。また、ゆったりと動く牛の動きに例えて動作が鈍いことも意味します。

英語では

「Cows came out of the dark.」

と翻訳することができます。

come out of とは「~から出てくる」という意味です。

3.牛は水を飲んで乳とし 蛇は水を飲んで毒とす

「牛は水を飲んで乳とし 蛇は水を飲んで毒とす」は、まったく同じものでも活用の仕方次第で毒にも薬にもなることの例えた「ことわざ」です。これは鎌倉中期の仏教説法集「沙石集」に記されている言葉です。

英語では

「Cows drink water and make milk, snakes drink water and make poison.」

と翻訳することができます。

4.牛に対して琴を弾ず(うしにたいしてことをだんず)

「牛に対して琴を弾ず」は、中国の字典『祖庭事苑』にて、魯の公明儀が牛の前で名曲を奏でたが牛はただ草を食べていたという故事に基づいた「ことわざ」です。

名曲を知らぬ牛に琴を弾いて聴かせたところで、牛はその名曲を理解できません。人も同じように、愚かな人にはいくら立派な話をしても無意味であることを例えています。

ちなみに、【「馬」のつく「ことわざ」を英語に!5選】でも紹介した、「馬の耳に念仏」も同じ意味を持つ言葉です。

英語では

「Let the cow hear the harp.」

と翻訳することができます。

let使役動詞で、「let A 〇〇」で「Aに○○させる」の意味です。

また、琴はハープとして翻訳しています。

5.牛を馬に乗り換える

「牛を馬に乗り換える」は、劣ったものから優れたものに乗り換えることを意味する「ことわざ」です。のろのろと歩みの遅い牛から、足の速い馬に乗り換えることで、自分に不利なものから有利なものに切り替えることの例えです。

英語では

「Switch cattle to horses.」

と翻訳することができます。

“cattle”とは牛のことで、主に家畜として飼われている牛を指します。

まとめ

今回は「牛」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめてみました。

今回は、私にはあまり聞き慣れない「ことわざ」だらけでしたが、ゆっくりと歩く「牛」にちなんだ「ことわざ」が多く見受けられました。「急がば回れ」という「ことわざ」もありますし、時には牛のようにゆっくりと考えてみることも必要かもしれませんね!

今後も様々な「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!