「英語で何て言う?」コーナー、今回は「bothの使い方」についてです。
「both」は、「両方の」といった意味がり、形容詞代名詞接続詞または副詞として使われます。
「both」の使い方はシンプルですが、使う時の語順や意味を正確に理解して使うことが大切です。

「both」の意味まとめ

まずは、「both」の意味からおさらいしていきます。

形容詞の「both」 「両方の」、「2つの」、「2人の」
代名詞の「both」 「両方」、「2つとも」、「2人とも」
接続詞の「both」 「both 〜 and …」で「〜も…も両方とも」

「both」は、2つのものについて「両方とも」を指し、常に複数扱いの単語です。
次章からは、例文を挙げながら、それぞれの品詞毎の「both」の使い方を紹介します。

「both」の形容詞用法

この章では、「両方の」を意味する形容詞「both」の使い方と、注意する点を解説します。

「both」+「代名詞の所有格」+「名詞(複数形)」

「both」は、必ず数えられる名詞の複数形と一緒に使います。
たとえば「I like both (the) CDs. 」では「どっちのCDも好きだ」となります。「CD」が複数形「CDs」になっていることと、「the」は省略できますが、「the both CDs」とは言わないことに注意しましょう。同様に、「Both her parents are high school teachers.」は「彼女の両親はどちらも高校の先生だ」ですが、「Her both parents」とは言いません。
「the」や「these」などや、「my」、「your」、「his」などの代名詞の所有格と一緒に用いられる時は、「both」は必ずそれらの語の前にきますので、語順に注意が必要です。

「both」を使った部分否定

つづいて「both」を否定文で用いた場合の例文を紹介します。
「I don’t need both these books.」「これらの本、2冊ともはいらないよ(どちらか1冊でいいよ)」となり、「両方とも…というわけではない」と片方だけを否定する意味になります。
「どちらも…ではない」という全体を否定する場合については、次章で解説します。

「both」を使って予定を伝える日常表現

最後に、予定をたずねるような日常会話のシチュエーションで使える例文を紹介します。
「Which days are better for you, Sunday or Monday?」(日曜日と月曜日どちらが良いですか)のように、どちらの日が都合が良いか聞かれて、2日とも大丈夫だと伝えたい時は「I am available on both days.」や「Both days are good.」といった表現が使われます。

「both」の代名詞用法

この章では、「両方」、「2人(2つ)」を意味する代名詞「both」の使い方と、語順などの注意点を解説します。

代名詞「both」の使い方

「Which do you like better?」(どちらが好きですか)と聞かれて、「どちらも好きです」と答える場合は「I like both.」と言います。また、2つについての感想などを聞かれた時には、「both」を主語にして「Both are good.」(どちらもよい)と答えることもできます。

間違いやすい代名詞「both」の語順

文章の中で「both」をどこに置くかに注目して以下の3つの例文を確認してみましょう。
「My parents both work.」(両親はどちらも働いている)のように、一般動詞と一緒に使われる時は、「both」はその前に置きます。また、「They’re both kind.」(2人はどちらも親切だ)のように、be動詞と一緒に使われる時は、「both」はその後ろに置きます。さらに、「We can both run 100 meters in 12 seconds.」(ぼくたちは2人とも100メートルを12秒で走れる)のように、助動詞がある時は、「both」はその後ろに置きます。
このように、「both」の位置は間違えやすいポイントですので、押さえておきましょう。

熟語「both of …」の使い方

「…の両方とも」や「どちらも」を意味する「both of…」の使い方をおさらいしておきましょう。
「both of」の後ろには、「I know both of the teachers.」(どちらの先生も知っている)のように、名詞が続く時は「the [one’s] + 複数形の名詞」を置きます。また、「I need both of them.」(どっちも必要だ)のように、代名詞が続く時は、その目的格(ここでは them)がくることに注意しましょう。

「部分否定」と「全体否定」

前章でも紹介した部分否定と全体否定をさらに解説します。
否定文に用いられる「both」と「either」に注目して、以下の2文を比べてみます。

  1. 「I haven’t read both of his novels.」  「私は彼の小説を2冊とも読んだわけではない」
  2. 「I haven’t read either of his novels.」「私は彼の小説をどちらも読んでいない」

1.の例文のように「both」を否定文の中で使うと、部分否定を表します。ここでは、2冊は読んでいないが、どちらか1冊は読んだという意味になります。一方、「either」を用いた場合は、2.の例文のように全体否定を表します。「どちらも…ではない」という意味には「not〜either…」または「neither」を使います。

「both」の接続詞用法

この章では、「〜も…も両方とも」、「どちらも」を意味する接続詞「both」の使い方を解説します。
「both 〜 and …」は、「〜 and …」を強調した言い回しです。〜と …の部分には、原則としてそれぞれ同じ働きをする単語を置きます。どちらかの語句を強調する意味合いはなく、両方とも並列です。
「Both Ryota and I played the game.」(良太もぼくも試合に出た)では、「Ryota」(名詞)と「I」(代名詞)の両者を指しています。また、「She is both beautiful and smart.」(彼女はきれいだし頭もいい)では、形容詞の「beautiful」と「smart」 を並列に置いて、彼女の器量を強調している文章です。

まとめ

今回は「both」に関する英語表現をたくさんの例文とともに紹介しました。
「both」は、名詞を修飾したり、主語になったり、語句と語句をつなぐ役割をしたりと幅広い使い方ができる単語です。日常会話で使える表現も紹介しましたので、ぜひ使ってみてくださいね。
では、次回をお楽しみに!

参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行(株式会社学研プラス)