この「ことわざ」、「英語」で何て言う?シリーズ、今回は、「馬」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。

ウマ目(奇蹄目)のウマ科に属する馬は、スラリとした長い足が特徴の動物で、英語では「Horse」と表します。

人と馬の歴史は古く、戦国時代の騎馬(馬に乗って行動する兵隊)から始まり、現代では競馬や乗馬として触れ合う機会も数多くあります。熊本県では、馬刺しが郷土料理として親しまれていますよね!

また、「干支」においては、7番目に位置する「午」として登場する「馬」。干支としては、方角では南、時刻では昼の0時を示す、方角や時間の基準となる意味を持っています。0が時間の中央になることから、午前(午より前)や午後(午より後)と表記されます。

このように馬は、実は毎日、目にしている動物でもあります。

そんな「馬」のつく「ことわざ」を今回は5つ選んで英語に訳しました。

馬の耳に念仏

「馬の耳に念仏」とは、人のアドバイスを聞かない人に言うように、いくら説いても一向に効き目のないことを意味します。まるで人の話を聞かない困った人がいる際に、「あいつは馬の耳に念仏だからどうにもならない!」なんて使い方をします。

英語では

「reading the nenbutsu into a horse’s ear.」

と翻訳することができます。

ちなみに、英語には

「Nod Is As Good As a Wink… to a Blind Horse」

という馬の耳に念仏に似た意味を持つ「ことわざ」があります。

この「ことわざ」は、「目の見えない馬にうなずいても目配せしても同じことだ」という意味。イギリスのロックバンド・フェイセズのアルバム名にもなっています。

馬を鹿

目の前を歩く馬を指差して、「あれは鹿だよ!」と言う人はいませんよね。しかし、故事『史記・秦始皇本紀』では、民に恐れられていた悪臣・趙高という人物が、鹿を「馬だ」と言い張り皇帝に献上しています。

趙高を恐れていた民たちは反対を唱えることができず、「その馬は鹿である」と指摘したものは処刑されたといいます。

このように、間違ったことを権力で無理やりに押し通すことを「馬を鹿」と言います。

英語にすると

「Say a horse as a deer.」

と翻訳することができます。

老いたる馬は道を忘れず

馬は様々な道をその足で歩みます。老いた馬であればあるほど、生涯を通して様々な道を歩んできていることでしょう。そうした歩みは経験となり、知識となります。

これは人も同じことで、経験豊かな人は、これまでの歩みや知識から物事の方針・判断を決める道しるべを知っているものです。

こうした意味から「老いたる馬は道を忘れず」は、経験豊富な高齢者は、判断が適格であるといった意味を持つ「ことわざ」です。

英語では

「The old horse does not forget the way.」

と翻訳することができます。

桂馬の高上り

天才棋士・藤井四段の登場で大きな注目を集める「将棋」。その将棋に使用される駒のなかに「桂馬」というものがあります。

「桂馬」とは、将棋の駒の1つで、全ての駒の中でこの駒だけが他の駒を飛び越えて敵陣に進軍することができます。ただし、一度進んだら最後。前にしか進むことができず、後退することはできません。

こうした桂馬の移動になぞらえて「桂馬の高上り」という「ことわざ」があります。この「ことわざ」は、桂馬のように人を抜かして身分不相応の地位に上がると、実力が伴わずに結局のところ失敗するという意味。

英語では

「High rising of the knight.」

と翻訳することができます。

この場合、桂馬は、チェスの「ナイト」の単語で訳しています。

弱馬 道を急ぐ

「弱馬 道を急ぐ」は、実力のない弱いものほど、小細工を行って手柄を手に入れようとして失敗するという意味。弱い馬ほど、焦って道を急ぐことが由来しています「やせ馬の道いそぎ」も同じ意味をもつ「ことわざ」です。

英語では

「The weaker horse rushes the way.」

と翻訳することができます。

まとめ

今回は、「馬」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめてみました。どの「ことわざ」も野をかける馬の走りに例えて、「焦っては失敗する」という教訓が込められていますね。

英語を学ぶ際にも、焦らずにゆっくりと学習することで実りあるものになるはず。1つ1つの意味をしっかりと学んでいきましょう。

今後も様々な「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!