「英語で何て言う?」コーナー、今回は「any」のおさらいです。
「any」は、使われる文の種類(肯定文、否定文、疑問文)によって、意味が変わる単語で、形容詞、副詞、代名詞として使われます。
今回は、「any」とあわせて「some」の使い方についても正しく理解しながら、「any」の基本的な表現から応用表現まで解説します。
目次
「any」と疑問文・否定文・肯定文
「any」は、使う文脈によって意味が変わる点を押さえておくと、様々な場面で使えるとても便利な単語です。
日常会話の場面でよく使われますので、意味の違いをしっかり理解しておきましょうね!
疑問文または「if」で始まる文章
疑問文または「if」で始まる文章の中で使われる場合、可算名詞の複数形の前に置いて、「いくつかの」や「何人かの」という形容詞的な意味で使われるのが一般的です。
- Do you have any brothers?「男のきょうだいはいますか」
- If you have any questions, come and ask me.「何か質問があれば、聞きにきてください」
「any」+ 不可算名詞
同様に、不可算名詞の前に置いて、「いくらかの」という意味でも使われます。
Is there any milk left in the carton?「パックに牛乳がまだ残ってる?」
否定文: 「any」+ 可算名詞(複数形)
否定文の中で使われる場合、可算名詞の複数形の前に置いて、「1つも(1人も)…ない」という意味になります。
I don’t have any pets. 「私はペットを飼っていません」
「not…any」は、「no」と同じ意味として使われますので、上の文章は、「I have no pets.」と言い換えられます。また、否定文では「any」を主語として使うのは誤りで、「どの生徒も来なかった」は、「No students came.」になります。「Any students did not come.」とは言わないので、注意しましょう。
否定文: 「any」+ 不可算名詞
不可算名詞の前に置いて、「少しも(何も・誰も)…ない」 という意味でも使われます。
There isn’t any water in the swimming pool.「プールには水がまったくない」
肯定文: 「any」+ 単数名詞
肯定文の中で使われる場合、単数名詞の前に置いて、「どんな…でも」、「どの…でも」、「誰でも」という意味になります。ここでは、「any」は強く発音されることを覚えておきましょう。
- Any child knows that.「どんな子どもでもそのことは知っている」
- You can come and visit us any time.「いつでも遊びにきてね」
- Judy runs faster than any other girl in her class. (Judy runs [the] fastest of all the girls in her class.)「ジュディーはクラスのどの女の子よりも走るのが速い」
- There are some umbrellas. Take any one you like.「かさが何本かあるから、好きなものを1本持っていきなさい」
「any」と「some」
前章では、「any」の文脈による意味の違いを解説しました。この章では、「any」と比較されることの多い「some」との使い分けについておさらいしたいと思います。
まず、前章の最後に挙げた文章に注目しましょう。
There are some umbrellas. Take any one you like.
この文章では、「何本か傘がある」と言う場合に、「any」ではなく、「some」を使っています。一般的に、「any」は、疑問文と否定文で使われ、「some」は肯定文で使われるという決まりがあるので、「There are any umbrellas.」は誤りです。
次に、以下のAとBの会話を英訳します。
- A:「質問はありますか?」
- B:「はい、いくつか質問があります。」または「いいえ、質問はありません。」
- A:「Do you have any questions?」
- B: 「Yes, I have some questions.」または「No, I have no questions.」
この「any」と「some」の使い分けを覚えておくことはとても大切ですが、例外があります。日常会話の中では、「some」を疑問文でも使うケースがあります。「Will you have some tea?」は、「お茶はいかがですか?」という意味の疑問文です。人に物を勧めたり、Yesの答えが期待されるときは、疑問文でも「any」ではなく、「some」を使いますので、覚えておくと良いです。
代名詞の役割をする「any」
これまでは、後ろに名詞を伴う形容詞としての「any」を解説してきましたが、この章では、代名詞の役割をする「any」についておさらいします。
以下に疑問文、否定文、肯定文の順に3つ例文を挙げます。意味や用法は形容詞と同様ですが、後ろに名詞がつかないことがポイントです。
- Do you want any of these dolls?「この人形のうちのどれがほしいですか?」
- I don’t know any of them.「彼らのだれ一人として知りません。」
- Any of these will do.「これらのうちどれでもよい。」
次に、会話の中で使われている例を紹介します。
英語は簡潔な文章を好む言語で、前後関係で文意が明白であれば、例文の答えの「tulips」(チューリップ)のように、一部分を省略することはよくあります。
- A: Are there any tulips?「チューリップはありますか?」
- B: No, there aren’t any.「いいえ、全然ありません。」
「any」を使った応用表現
最後に、「any」を使った応用的な表現をいくつか紹介します。どれも日常会話でもよく耳にする表現ですので、ぜひ覚えて使ってみてください。
「if any」
契約書やビジネス文書などで目にすることの多い「if any」という挿入句は、「もしあれば」という意味です。
「if there is (are) any」の略で、前章で解説した代名詞的用法の「any」です。「Correct errors, if any.」は、「誤りがあれば訂正しなさい」という意味になります。この2語を挿入することで、「万が一」という意味を加えることができる便利な表現です。
否定文 / 疑問文:「any + 比較級」
次に、否定文や疑問文の中で比較級と一緒に使う「any」の表現を紹介します。
まず、「not … any longer (= no longer)」(もうこれ以上…しない、もはや…でない)と「not … any more (= no more)」(もうこれ以上…ない、もう二度と…しない)を使った例文を挙げます。
- I can’t wait any longer. (I can no longer wait.)「もうこれ以上待てない
- I will not speak to him any more. (I will speak to him no more.)「私はもう二度と彼とは話しません。」
どちらも「今まではしていた(できていた)けれど、これ以上はしない(できない)」という状況の変化を表すことができます。
同様に、否定文と疑問文の中で出てくる「any + 比較級」は「少しは(少しも)」という意味がありますので押さえておきましょう。「Is Lucy any better today?」は、「ルーシーは今日は少しはよくなりましたか?」となります。
まとめ
今回は「any」の基本的な使い方や表現をたくさん紹介しました。
日常会話で使える便利な表現がたくさんあったと思います。ぜひ会話の中に取り入れてみてくださいね。
では、次回をお楽しみに!
引用文献:アンカー大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 株式会社学研プラス