「英語で何て言う?」コーナー、今回は「お腹」についてです。

「お腹がいっぱい」や「お腹が痛い」など「お腹」に関する英語は日常会話で使う機会が多いのではないでしょうか?

基本的な英文から、応用編まで、「お腹」に関する英語表現を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「腹」に関する英単語まとめ

まずは「腹」に関する英単語を紹介します。

「腹」は英語で「stomach」です。小児語では「tummy」です。

腹部の器官を表す英単語として、胃は「腹」と同じく「stomach」、食道は「esophagus」、肝臓は「liver」、大腸は「large intestine」、小腸は「small intestine」、胆嚢は「gall bladder」です。

そのほか、「腹」に関わる英単語として、腹筋は「an abdominal muscle」で、腹筋運動は「sit ups」、へそは「belly button」、へその緒は「umbilical cord」、みぞおちは「pit of the stomach」、腹式呼吸は「abdominal breathing」、肥満は「obesity」や「fatness」、腹痛は「stomachache」、腹巻きは「bellyband」です。

腹痛を表す単語「stomachache」で使われている語末「ache」は体内の痛みを表すときに使われます。例えば頭痛は「headache」、腰痛は「backache」です。よく使われるので覚えておくと良いですね。

「腹」に関する基本的な英語表現

前章でまとめたように、「腹」は「stomach」ですが、「胃」または胃に近い場所というニュアンスが強いです。口語では、「腹」は「belly」と言うことも多く、もし下腹部を指す場合は、「abdomen」を使います。

次に、日常生活で使える基本的な表現を紹介します。ぜひ覚えて実際に発音してみてください。

「お腹すいた」は「I’m hungry.」で、倒れそうなくらいお腹がすいている場合は「starving」を使って「I’m starving.」と表現します。

反対に「お腹いっぱい」は「I’m full.」です。また、「胃がもたれる」は「lie (heavy) on one’s stomach」で、例えば、「油ものは胃がもたれる」と言いたいときは「Oily food lies heavy on my stomach. 」です。この場合の「lie」は「横たわっている」という意味で、お腹の中で油ものが重く横たわっているを意訳して胃もたれを表しています。

同じく「lie on one’s stomach 」は、「腹ばいになる」という意味もあります。「腹ばいになって赤ん坊と遊んだ」は「I lay on my stomach to play with my baby. 」です。

腹痛は「stomachache」でしたよね?これを使った例文として「お腹が痛いからその薬をとってください」は「Please bring me the medicine because I have a stomachache.」となります。子供が腹痛を訴える時は、「My tummy hurts.」と言い、「stomach」の代わりに「tummy」を使うことが多いです。

とても辛いものや他の人が食べないようなものを平気で食べられる人に対して、「丈夫な胃腸を持っていますね」と言いたい時は、「You have a strong stomach.」を使います。

「腹」を使った感情表現

日本語で「腹」を使って気持ちを表す言葉というと、何を思い浮かべますか。この章では、「腹」を使った感情表現を紹介します。

「腹を立てる」は、英語で「get angry」です。「何でもないことで腹を立てる」は、「I get angry about nothing.」となります。怒るという感情を「腹が立つ」と表現する日本語に対して、英語では怒りを表すのに、「stomach」などの「腹」という単語を使うことはありません。

一方、体の一部分として捉えられることの多い「腹」ですが、英語にも「stomach」や「belly」を使って気持ちを表すことができる表現がたくさんあります。

「stomach」は、「腹」という名詞としてだけではなく、「我慢する」という動詞としても使われます。「Jane cannot stomach classic music.」は、「ジェーンはクラシック音楽に我慢できない」と直訳できます。嫌うくらいの強い嫌悪感ではありませんが、ネガティブな気持ちを表しています。動詞の「stomach」は、「我慢できない」という否定的な意味合いで使われることが多いです。

緊張で落ち着かない様子も「stomach」を使って表現できます。「I have butterflies in my stomach.」で、直訳すると「お腹に蝶々がいる」となりますが、これは「ドキドキしている」という意味です。そわそわしている時に使える表現ですので、覚えておきましょう。

では次に、「belly」を使った情熱や強い意志を表す表現を紹介します。「Mike has such a fire in the belly for this project.」は、「マイクはこのプロジェクトにとても情熱を持っている」という意味です。決まり文句の「fire in the (one’s) belly」は、直訳すると「お腹の中の炎」ですが、何かに対する強い気持ちを表現できます。

また、「belly」を使って、性格を表す表現もあります。「臆病者」は、「yellow-belly」と言います。「yellow-bellied」で、「臆病な」という形容詞になり、「The puppy is too yellow-bellied to come outside.」は、「その子犬は、臆病すぎて外に出て来られない」です。ここでは「too 〜 to …」という、「〜すぎて…できない」という構文が使われています。

「胃」に関わる不快感を表す英語表現

お腹は、日常的に痛みや不調が起こりやすい部位ですが、英語では、より胃のニュアンスが強い「stomach」を使って、吐き気を伴うような不快感を表現します。「sick to (one’s) stomach」、「turn (one’s) stomach」、「sour stomach」の3つの表現を紹介します。

気持ちが悪いと訴えたい時は、「I’m feeling sick to my stomach.」を使います。また、「The smell of raw fish just turns my stomach.」で、「生魚の匂いで気分が悪くなる」という意味になります。この表現は、「The smell of raw fish makes my stomach turn.」とも言えます。最後の「sour stomach」は、「胸焼け」を意味します。胸焼けは、お腹よりも胃に近い部分で起こりますので、英語で「stomach」は、胃を指す傾向があることがわかりますね。

「腹」に関わる病気や症状を表す英語表現

この章では、「腹」に関わる具体的な病気や症状を紹介します。お腹や胃の不調で病院に行くと、海外でも病歴は必ず聞かれます。そんな時に使えるかもしれませんので、覚えておくと便利ですね。

盲腸炎は「appendicitis」で、盲腸を取るは、「have one’s appendix removed」を使って表現します。「盲腸を取ったことがある」と伝えたい時は、「I have had my appendix removed before.」と言います。また、胃潰瘍は「gastric ulcer」、大腸がんは「large intestine cancer」です。

その他に、病気ではありませんが、お腹に関わる症状と言えば妊娠が思い浮かびますね。

妊娠中のお腹周りのふくらみを「baby bump」と言います。「帝王切開」は「caesarean section」と言い、頭文字を取って「C section」という呼称があります。

まとめ

今回は「腹」に関する英単語や英語表現を紹介しました。

海外では、妊婦さんがいると、笑顔で近寄り、見知らぬ人でもお腹を触ったり、「How far?」(今何ヶ月ですか)「赤ちゃんの予定日はいつですか」(When is the baby due?)と質問したりします。

日常会話でも使える感情表現などたくさんあったと思うので、これを機に覚えて、使ってみてくださいね。

では、次回をお楽しみに!

参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行(株式会社学研プラス)