第２回 永田美絵さん（後編）

そうそう。普段は見られない地域の星空は気になりますよね。日本では見られないけど同じ日に地球の裏側で見える天文現象なんて特に。

そうですね。海外旅行に行くときは、普通は観光地などを中心に廻るんでしょうけど、この仕事をしていると星を中心に場所や日程を決めたりしますね。

昼間も観光しますけど（笑）。せっかくだから。

エジプト…かな？ギザやその他の各地をめぐり、最終的にリビア砂漠で皆既日食を見ました。もう10年以上前ですね。

良かったですよ。機材準備とかはプロがいたのでお任せできるし（笑）。

本当に。あと、オーロラを生で見たときも感動的でした。

アラスカです。チェナホットスプリングスというところ。

完全装備してますしね。まあ、寒さには慣れてますから（笑）。

しますよ（笑）。帰りに道に立ち止まって、とか、部屋の窓を開けて、とか、真冬なのにあっという間に時間が過ぎたり。

さっぱりです（笑）。学生の頃は英語が苦手でしたし。

実は大学時代、イギリスに1カ月留学していたんですよ。でも1カ月じゃダメですね。お世話になった家に犬がいたんですけど、犬の方がよっぽどそこのご家族とコミュニケーションが取れてました。犬に負けてるって思いましたね（笑）。

英語は今までに何度も挫折しています。

英会話学校でのグループディスカッションは苦手でしたね。

勉強してる、みたいな雰囲気がちょっと…。発音やフレーズなど同じことを繰り返し言ったり聞いたりしてるとやる気が失せるというか（笑）。ディスカッション形式ならまだ楽しめるんですけどね。とは言え、そこまで話せませんけど（笑）。

そうなんですよ。近くに大きなホテルもあるし、かなり多いです。なので、マニュアルを見ながらカタコトで話してます（笑）。マニュアルごと見せたりして。これ、これです、みたいな（笑）。

他のスタッフに話せる人がいるので、その辺は安心なんですけど。私ももう少し落ち着いて英語対応できるようになりたいです。

国際プラネタリウムのミーティングが世界各地で開催されるんですが、それに出席して、当館の紹介をしたいです。

無理無理無理（笑）。

夢ですね。あと、現実的…というか身近な目標としては、外国人向けのプログラムを作ってみたいです。先ほども話に出ましたが、やはり外国人の方が増えているので。

渋谷ならではの特性を活かしたプログラムを考えるのは、難しいですけど楽しいんです。

仕事用の携帯電話と星座早見表…、あと何と言っても「理科年表」と「天文年鑑」ですね。

日の出、日の入りは毎日変わっていくでしょう？惑星の位置や星との距離など、軌道によって変わるし。そういう日々の変化を知るためのもので解説員には本当に重要なんです。

１日ごとの天文現象が詰まってますから。これを元にして解説のアドリブに使うこともありますよ。

せっかく「今日」という日にプラネタリウムに来てくれたんですから、今日だけの何かをお伝えしたいんですよ。

こだわりというか…毎日することと言えば、空を見ることでしょうか。晴れていれば必ず空を見上げて雲や星をみます。

好きなんです。毎日違うし。この事務所（12階）から夕陽や雲の動きをしばらく見ていると、あぁいいなって思いますよ。

そうなんです。たまにすごくキレイな夕焼けが見えたり、変わった雲の形なんかが見えると、スタッフ皆に「見てみてー」って窓に呼んじゃいます。

終わらないですよ。皆、好きですから。スタッフ皆でぼんやり窓の外を眺めたりしています（笑）。

同じ空を他の場所で見てる人がいるかも、とか、そういうことを想像するのも好きなんですよ。スーパームーンのときなんかは日本中が同じ月を、世界中が時差で多少のずれがありながらも眺めてる、そんな風に想像すると皆で同じ「地球」にいるんだなって感じて。

そのうち癖になりますよ。