オンライン英会話学校の授業駅前留学など、どんな英語学習をしていても必ず出てくるのが「例文」です。

実際の文章の中で単語や文法の使い方を確認できる「例文」は、英会話には欠かせません。しかし実際に出てくる例文は、興味が持てない内容だったり、非現実的すぎて思わず笑ってしまうものだったりすることもあると思います。

実はこの例文、身近で興味のある内容に自分でアレンジしてみるだけで、学習した内容をより定着しやすくすることができるのです。

そこで今回は、例文を自分なりにアレンジする学習方法をご紹介します

なぜ例文は身近で興味のある内容の方がいいのか?

例えば「アメリカ人のある人が一億円の宝くじを当てた」と聞いた時、どのように感じますか? おそらく違う国の全く知らない人のことなので、「そうなかの・・・よかったね」くらいに思うだけではないでしょうか。では次に「知り合いのあの人が一億円の宝くじを当てた」と聞いたとしたらどうでしょうか? 後者の方が断然興味が沸くのではないでしょうか。

近年流行した小学生向け「うんこ漢字ドリル」が人気なのも、例文全てが小学生が興味を持つ「うんこ(笑)」についてだからではないでしょうか

英語の例文でも同じことが言えます。例えば、「マイクはジョージよりテニスが上手い」という例文があるとします。外国人の名前に馴染みがなくテニスにも興味がない人にとっては、この例文はなかなか頭に定着しにくいものです

せっかく新しい単語や文法を勉強しても、定着させて使えるようにならなければ意味がありません。身近で興味のある内容の例文であれば、単語や文法を実際に自分が使う場面を連想しやすく、学習内容の定着へつながります。

身近で興味のある例文を作るコツ

では、実際にはどのように例文をアレンジしてみればいいのでしょうか?

ここでは「うさぎさん」を使って、アレンジの例とコツをご紹介します。

うさぎのプロフィール:
・遠くに暮らす祖母がいる
・足が速く、野球が大好き
・カメと競争したら勝つと思っていた
・好物は祖母が送ってくれるニンジン

この「うさぎさん」を頭に思い浮かべながら、例文をアレンジしてみましょう。

名前・名称を身近で興味のあるものにする

例文を身近なものにする一番簡単な方法は、名前や名称を変えてみることです。時制を勉強している際には、身近な事柄の時制を考えながら例文をアレンジしてみると有効です。

アレンジ例

  • 例文:I haven’t seen Jim since Monday. <私は月曜日からジムを見ていない>
    アレンジ:I haven’t seen my grandmother since last year. <私(=うさぎさん)は昨年から(遠くに住んでいていつもニンジンを送ってくれる)祖母に会っていない>
  • 例文:They’ve played tennis three times this month. <彼らは今月3回テニスをした>
    アレンジ:We’ve played baseball four times this month. <私たちは今月4回(大好きな)野球をした>

名前や名称を少し変えて興味のあることに関連付けることで、例文がぐっと身近なものになります。

実際に起こったor起こりうる場面を想定する

次は、実際に自分がその文法を使う場面を想像しながら例文をアレンジする方法です。仮定法を学ぶ際などに有効です。色々な場面を想定してみましょう。1.のように単語を少し変えるのではなく、文法構造を残しつつ慎重に文全体を作り変えていきます。

アレンジ例

  • 例文:If I won a lottery, I would buy a big house. <もし私に宝くじが当たったら、私は大きい家を買うでしょう>
    アレンジ:If I raced with a tortoise, I would win. <もし私が亀と競争したら、私が勝つでしょう>
  • 例文:If I hadn’t been so tired, I would have gone out last night. <もし私があんなに疲れていなければ、昨夜は外出していたでしょう>
    アレンジ:If I hadn’t taken a nap at that time, I would have won. <もし私があの時昼寝をしていなければ、私が勝っていたでしょう>

仮定法を使う「もし…」といった場面は、人それぞれ大きく違うと思います。自分はどういった場面・状況でこの文法を使うのかを考えて、より実用的な例文を作ってみてください。

自分の気持ちを表現する

最後は、自分の気持ちを例文に反映させて、例文をより身近で興味のある内容に変える方法です。助動詞の勉強などで、細かなニュアンスを確認するのにも有効です。

アレンジ例

  • 例文:We have a party tonight. You should come. <今夜パーティーがあります。ぜひ来てください>
    アレンジ:My grandmother’s carrots are very tasty. You should try. <祖母のニンジンはとても美味しいです。ぜひ食べてみてください>
  • 例文:This is a secret. You mustn’t tell anyone. <これは秘密です。誰にも言ってはいけません>
    アレンジ:Onions are dangerous to rabbits. You mustn’t give onions to us. <(玉ねぎはうさぎにとって危険です。私達に玉ねぎをあげてはいけません>

感情を表すテキスト例文をアレンジしてみよう

感情を表すテキスト例文をアレンジしてみよう

英語学習をする中で、英語で感情を表す表現を学ぶ機会がたくさんあります。
感情を表すテキスト例文をアレンジする練習をしてみましょう。

嬉しさ、喜びを表す表現

  • 例文:I’m glad you came to this party.<あなたがこのパーティーに来てくれてうれしいです。>
  • アレンジ:I’m glad you came to see me off.<あなたが私を見送りに来てくれてうれしいです。>

例文はシンプルな文ですが、came to ~で「~に来る」の部分を「~にするためにやって来る」とアレンジしただけですが、表現の幅が少し広がります。

  • 例文:I’m pleased to hear the news.<私はそのニュースを聞いて嬉しいです。>
  • アレンジ:I’m pleased to hear the news that you passed your college entrance exam!<あなたが大学入試に合格したというニュースを聞いて嬉しいです。>

pleased は glad に変えても同じ意味になりますが、英語のテキストにはよく「そのニュースを聞いて嬉しい」という例文が出ていたりします。しかし、実際のシチュエーションで、どんなニュースなのか説明しなくてはならないことが多いです。the news の後に that S V … を続けるだけで、より具体的に説明することができます。

感謝を表す表現

次は感謝を表す表現について、例文をアレンジしてみましょう。

  • 例文:I would be grateful if you call me again.<あなたがまた電話してくれたら感謝します。>
  • アレンジ:I would be grateful if you talk to me in your free time.<あなたがヒマなときに私に話かかけてくれたら感謝します。>

目上の人などでとても忙しくて、こちらから声を掛けるのがはばかられるような方に対して、「あなたがもし…してくれたら、私は感謝するでしょう」という表現です。

驚きを表す表現

  • 例文:I was surprised to find that the French bread was delicious.<そのフランスのパンが美味しかったので驚いた。>
  • アレンジ:I was surprised to find that the French bread tasted better than I had expected.<私はそのフランスのパンが期待していたより美味しかったので驚いた。>

例文は、「that 節のことを発見して驚いた」という意味になり、that節の中に過去形の文を入れて、応用が利く文ですが、「期待していたより、…だった」と言う場合、「期待していた」のは「…だった」より時制を前にするべきですね。

依頼を表すテキスト例文をアレンジしてみよう

依頼を表すテキスト例文をアレンジしてみよう

次に、依頼を表すテキスト例文をアレンジしてみましょう。

見知らぬ人に話しかけるときの依頼文

  • 例文:Excuse me, but could you tell me the way to the station?<すみませんが、駅までの道を教えてもらえませんか>
  • アレンジ:Excuse me, but could you tell me how to go to Haneda Airport from here?<すみませんが、ここから羽田空港へどうやって行くか教えてもらえませんか>

日本語では「教えてもらえませんか」となっていますが、この場合の動詞は teachではなくtell を使います。

この例文の表現は、to の後の場所を変えるだけで使える便利な表現ですが、例文のようにいつも「道」を教えてほしいと聞きたいシチュエーションとは限りません。そこで、アレンジのように「ここから~へはどうやって行くか」というアレンジ文を覚えておくと、使える機会が多いです。

友人、知人に頼みごとをするときの依頼文

見知らぬ人に話しかける場合の依頼文だけなく、友人、知人に頼みごとをするときの依頼文のパターンもおさえておきましょう。

  • 例文:Do you mind if I open the window?<その窓を開けてもいいですか?>
  • アレンジ:Do you mind if I call you around 8 o’clock tonight?<今夜8時ごろに電話してもいいですか?>

自分が「~してもいいですか」と聞きたい場合に、Can I ~ ?と尋ねるばかりじゃなく、相手に敬意を払いたい場合は、Do you mind if ~? も使ってみましょう。

例文は、英語のテキストでよく見かける文ですが、実際に窓を開けてもいいですかと相手に尋ねるシチュエーションはあまりなくて、むしろアレンジのようなシチュエーションの方があり得るのではないでしょうか。

昨今では、何でもメールでやり取りすることが多いですが、込み入った内容で相手の反応を確かめつつ話を進めたい場合には、電話を使うこともあります。そういった場合に、「今夜電話してもいいですか?」とメールで先に聞いておくとスムーズですね。

まとめ

いかかでしたでしょうか。今回はテキストの例文を自分流にアレンジする勉強法をご紹介しました。

「興味関心」は、学習の効果をぐっと上げます。英語の例文に出会ったら、読んで使い方を確認するだけではなく、自分だけの例文を作ることでより理解を深めることができます。

キッズ英語の場合でも、例文の名前や内容をよりお子様が興味あるものにするだけで、飽きさせずに英語と触れ合うことができると思います。

誰でも手軽に取り入れられる学習法なので、ぜひ試してみてください。